夏なので涼しくなる話をしましょう。
さて、幽霊に足がないのは何故でしょうか?
円山応挙「幽霊画」に足が無かった
日本では、江戸時代の絵師、円山応挙「幽霊画」に足が無かった事から一般に広く知られたと言われています。
しかし理由はそれだけでしょうか?
【反魂香】から、
煙により死者の足が見えなかった説も
中国の故事「李夫人詩」によれば、霊薬を整えて煎じて練り、金の炉で焚き上げたところ、煙の向こうから亡き夫人の姿が見えたという【反魂香】から、煙により死者の足が見えなかったという説もあります。
能楽師の歩き方
少し違う話ですが、能楽には幽霊が登場する謡曲も数多くあります。
能楽師の歩き方ですが、上体が上下には動かず、足で歩いている雰囲気がありません。
表現として足の存在が、かき消されています。
幽玄の美の極致に静けさ、足音も無しにした
私個人の勝手な解釈からすると、幽玄の美の極致に静けさがあり、あの静寂さからは足音も無しにしたということではなかろうかと…
まあ幽霊に足があろうと無かろうと、見えざる者の正体は人それぞれという事なのでしょう。
※参考:「李夫人詩」円山応挙「幽霊画」 より